特別小森会世話人総会 オンライン開催

日時:2022年04月14日(木)

■開催概要
日時:2022年4月14日(木)14:00~16:40
形式:株式会社小森コーポレーション 本社6階会議室よりZoomでオンライン配信

・KOMORI基調報告 
当社 取締役会長 小森善治

・講演会 『 伝統産業を継ぐということ 』
新政酒造株式会社 代表取締役社長 佐藤 祐輔 様

2022年4月14日、「特別小森会世話人総会」がオンラインで開催されました。
小森会はKOMORIのユーザー会として全国規模で組織され、経営・技術・その他印刷全般にわたる意見・情報の交換を通じて会員相互の親睦を深めるとともに、会員企業のさらなる繁栄を目的として活動しています。
小森会世話人総会は、全国8ブロック会の代表世話人・企画委員・世話人の出席のもと、通常4月に開催されてきました。この2年間は新型コロナウイルスの流行の影響を受け、リアルでの開催については見送られましたが、今年は小森会役員の方々を中心に協議を重ねていただき、安全面を考慮してオンライン形式で開催される運びとなりました。結果、全国各地役員の皆さま67名にご参加いただきました。

冒頭、小森会会長 小松義彦様より、「結成趣意書によると小森会は、『多角的な視野から事業経営に関わる周囲の情報を的確に把握し、技術開発を始め経営の効率化・合理化にたゆまぬ努力を積み重ね、業界に共通したいろいろな問題について共に模索し研究する』とあります。この趣意書は今の時代も通じるものであり、小森コーポレーションの業界に対する貢献度は非常に大きいものです。コロナの渦中にあって厳しい経営をされている方も多いかとも思いますが、異業種への挑戦、政府の助成金などを大いに活用して、ポストコロナを目指して取り組んでいっていただきたいです。今後どういう風に生き残っていくか、本当は皆様と直接お会いしてお話ししたいところではありますが、今の段階ではどうすることもできません。来年は30周年を祝う小森会としたい。コロナが明けるとこを信じて、皆様とともに1年間頑張ってきたいと思っております」と、力強く開催のご挨拶をいただきました。
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続いて行われたKOMORI基調報告では、現在の印刷産業を取り巻く環境とKOMORIの最新の事業活動、そして今後の事業の取り組みについて小森コーポレーション会長の小森善治より報告いたしました。冒頭、先の福島県沖を震源とする地震の被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げました。 また、KOMORIのサービス、工場の関係者が復旧支援を最優先としてその対応に尽力したことが報告されました。
内容の一部を紹介します。
長引くコロナ禍やロシアのウクライナの侵攻の影響を受けて、世界的に物価上昇が起こっており、印刷に関わる資材も高騰するなど厳しい影響を受けています。加えて、人手不足や人件費の高騰も多くの皆様にとって深刻な経営課題ではないでしょうか。この5年で最低賃金が1.5倍と急激に上昇し、また政府の政策で週52時間労働規制など極端な労働環境の変化が起きているお隣の韓国では、生産性向上は日本以上に深刻かつ待ったなしの経営課題となっております。そのような環境対応するため、韓国の印刷会社では両面ワンパスの高生産機の導入を検討される傾向にあります。既設の片面機2~3台を当社のRP(両面)機1台に集約することで、これらの経営上の課題を解決すべく取り組まれています。特に最近の事例では、RP機のアドバンス・モデルを活用いただきて成果を出されている韓国・ソンウォンアドピア社の活用事例を紹介します。(動画で紹介)
 このアドバンス・モデルについては2020年に発表して以来、大変高い評価をいただいており、世界で323台が販売されました。(*2022年3月末現在)
続いてKOMORIは、様々な事業構造変革を進めており、これまでのオフセット印刷機の専業メーカーからの事業変革に取り組んでいます。オフセット印刷事業を中核としながらも、証印事業、PESP事業、DPS事業、その他の新規事業などを多角的に展開し、それぞれの事業間でシナジー効果を生み出すことにも期待しています。
PESP事業では、提案型サービスを推進しており、生産性向上に寄与するK-Supply商品の拡充と、清掃・点検をメインとした定期交換サービスや機械操作のコンサルタントビジネスなど、お客様の稼働をサポートするサービスを積極的に進めています。
証印事業では、近年のキャッシュレス決裁の普及に伴い、本来なら現金による決済の機会が減少するはずですが、実のところ銀行券発行残高は増加傾向にあります。災害や情勢不安などの非常時には、デジタル通貨よりも、やはり紙幣の信頼性が高くなる傾向にあるといわれており、紙幣の存在価値が再認識されていることの表れのようです。日本では2024年に新紙幣への改札も予定されておりますが、今後もこれまで培った精度が要求される印刷技術を磨き、紙幣の信頼性の担保にも貢献していきます。
ポストプレスの一翼を担うMBO社の事業では、特に商業印刷においてボトルネックとなる後工程の自動化を重点的に進めています。単純作業のロボット化を推進して、省人化はかるシステムをラインアップしています。また、KP-コネクトとの連携により、後加工の工程までを一貫して効率化を進める生産環境を追求しています。
また、来年2023年にKOMORIは創業100周年を迎えます。100周年事業の一環として、さらなる次の100年を見据えた新しい事業ビジョンを立案していきます。中でも、今後ESGへの取り組みは必要不可欠になっていくため、優先順位を高めて取り組んでいます。環境問題には以前にも増して積極的に取り組んでおり、SDGsに沿った活動を実行してきました。「KOMORIエコビジョン2030」では、二酸化炭素の排出量、水資源、廃棄物に関して、2030年までの長期的な数値目標を設定していますが、二酸化炭素の排出量については、2021年のマイルストーンであった排出量30%削減を、1年前倒しで達成することができました。今後はさらに活動領域を広げ、提供する製品やサービスにも反映して、お客様とともに持続可能な社会の実現に貢献していきます。
また、今年11月に開催されるIGAS2022では、製造の生産性を極大化するコネクテッド・オートメーションのコンセプトのもと出展を計画しておりますので、こちらもぜひご期待いただきたいと思います。

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そして講演会では 『 伝統産業を継ぐということ 』をテーマに、新政酒造株式会社 代表取締役社長 佐藤 祐輔様より、お話しいただきました。

最後に、小森コーポレーション代表取締役社長の持田訓より、「近年パーパスという言葉が使われています。日本語でいうと存在意義ですが、会社を経営するうえでパーパスが非常に重要と言われています。役割や企業の価値が考えて進めていく必要があります。会社が深い自社の事業分析、経営環境分析を経て、存在意義を共有して、事業の方向性を明確にしていくことがこの時代不可欠ではないでしょうか?当社は100周年を迎えるにあたり、若い人を中心にパーパスを再定義しています。「印刷技術」、「精密機械の製造技術」といった強みをこれからさらにどういう風に使って、次の100年につなげていくかを考えていきます。印刷業界にお役に立てることがまだまだありますので、しっかり踏みしめて進んでいきます。小森会は、意見を共有できる貴重な場ですので、今後ともご指導とご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」とあいさつを行い、閉会となりました。

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今後も社会情勢を鑑みながら、KOMORIは直面する印刷業界の課題解決に真摯に取り組み、オンライン、リアルの双方で有益な情報発信を行ってまいります。今後も社会情勢を鑑みながら、KOMORIは直面する印刷業界の課題解決に真摯に取り組み、オンライン、リアルの双方で有益な情報発信を行ってまいります。


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今年度の特別小森会は東日本地区大会・西日本地区大会の開催を予定しています。
❏西日本地区大会  7月6日(水)予定
❏東日本地区大会 11月7日(月)予定
今後の社会状況次第でオンライン開催かハイブリッド開催か判断し、ご案内します。