POSTPRESS by KOMORI

ポストプレスコラム

Vol.03

折丁や出来本の断裁を容易に 「アプリシア」の多彩なクランプ圧が作業支援

 平断裁機では日常の作業として、シートやペラを仕事に応じて適度に積み重ね、断裁していますが、いざというとき、現場は折丁や出来本といった立体物を重ねて切ろうと決断することがあります。
 例えば、無線綴じが予定されているにもかかわらず、誤って中綴じ用に面付けされた折丁が運ばれてきたときです。中綴じ用の折丁は一般的に、最後の折り1回をずらすように面付け設計され、丁合機がくわえる「ラップ」が設けられています。片や無線綴じの工程では、丁合時に折丁を開かず重ねていき、背切りまでの間に徐々に起こしながら背の高さを揃える流れとなっているため、ラップはただの余計な出っ張りとなり、スムーズな揃いを妨げる厄介な存在となります。そのため現場では、生産性やコスト、部数、納期などを勘案した上で、面倒ながら、丁合機に載せる前に平断裁機でラップを落とす下ごしらえを行うことがあります。
 また、出来本が平断裁機に載せられる例としては、天地・小口をなめる必要がある場合が挙げられます。出来上がり翌日から数日後、紙がわずかに伸びることがあります。折丁により紙の銘柄や目の取り方向が異なれば、この伸び方に差が出ます。顧客の要望によってはこれらを美しく整えなければなりません。現場では数冊ずつ重ね、カブりに注意しつつ、三方それぞれをわずかな寸法だけ切り落とす対応をしていきます。
 これら立体物を切る頻度はあまり高くはありませんが、いざ作業するとなると、変形や重ねた際の立体ゆえの不安定さに細心の注意を払わなければなりません。
 そんなとき、KOMORIの断裁機「アプリシア」のクランプが有効かもしれません。刷本をわずかな力で押さえる「ゼロ設定」など多彩なクランプ圧の設定が可能で、作業性を下支えすることができるのです。

背切り工程前に、丁合された折丁上部をブラシで押さえ、各折丁の背の水平を揃えるタイプの無線綴じライン内の様子。出っ張りのない折丁には押さえが利かず、スムーズに揃いにくい。

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