
KOMORIの陸上競技部員として入社し、現在は小森グラフィックテクノロジーセンター(KGC)の課長を務める上原に、現在の仕事や将来の展望、そしてお客様にプリントテクノロジーを届けるということについて聞きました。 KGCは2009年に設立されたKOMORIグループの中核的機関で、プリントテクノロジーの研究開発やデモンストレーション、印刷人材の育成・技能研修を担っています。2024年にリニューアルオープンし、「印刷工場の仮想スマートファクトリー」として、工場内の印刷ワークフロー全体の「自動化」を推進しています。
陸上競技から印刷技術の最前線へ
私は2000年に陸上競技部のメンバーとしてKOMORIに入社しました。引退後は、印刷技術部とKGCで、主に商談活動のための印刷テストを担当してきました。この印刷テストは、機械導入をご検討されているお客様に対し、課題やご要望を詳しくお聞きし、それに応える形で実演を通じて解決策をご提案するものです。時には高難度の印刷にも挑戦しますが、KOMORIの最新機械の性能を最大限に引き出しながら、プリントテクノロジーの進化を実感いただけるよう努めています。お客様に「この機械なら任せられる」と感じていただけるよう 、期待を超える提案を目指し、日々取り組んでいます。
KGCでは、新しいプリントテクノロジーの研究開発や提案、難易度の高い印刷技法が求められます。お客様の多様なニーズに応えるため、既存の枠にとらわれない技術的チャレンジが求められる場面も多く、そうした課題に対して、メンバー間の連携を活かしながら最大限の力を発揮できるのがKGCの強みです。技術開発と実演を通じて、KOMORIの可能性を広げていくこの仕事に、大きなやりがいを感じています。
技術革新と業界への思い
製造業全体で人手不足が深刻化する中、作業を自動化する技術の必要性が高まっています。KGCでは、工場全体の自動化を進めることで高い生産性を発揮する"スマートファクトリー"の実現を目指し、工場全体の効率化を進めています。印刷物ができあがるまでには、印刷以外にも多くの工程が関わっており、資材搬送や検査、後加工などの自動化も重要な要素です。そのため、前後工程を専門とする他社の協力も得ながら、お客様に合ったスマートファクトリーの形を常に模索しています。
お客様の規模や課題に応じて、必要な機能を段階的に導入できるよう、"切り売り"の考え方を取り入れた構成も意識しています。これにより、スマートファクトリーの導入ハードルを下げ、より多くのお客様に印刷の未来を感じていただけるよう努めています。
私もKGCの一員として、より多くの人に印刷の魅力を伝えられるような提案を通じて、印刷業界全体の魅力向上と持続可能なものづくりの実現に貢献していきたいと考えています。
drupa2024:一体感で魅せたKOMORIの強み
これまで展示会ではオペレーターとして活動してきたなかで、デモンストレーション分科会のリーダーを務めたdrupa 2024*は大きなチャレンジでした。オランダにある現地法人のメンバーと連携して進めたこのプロジェクトは、メンバー間で言語や文化、技術への理解度が異なる中、共通認識を持つまでに時間がかかりました。
それでも、それぞれが意見を出し、互いに理解しあいながら協力できたことで、最終的にはKOMORIの強みを生かした一体感のあるデモンストレーションを実現することができました。多様なバックグラウンドを持つメンバーとの協働は非常に刺激的で、自分自身の大きな成長につながったと感じています。
KOMORIのパーパスである「プリントテクノロジーで社会を支え、感動をもたらす」を体現するために、これからも仲間とともに挑戦を続けていきたいと思います。
* drupa:最新の技術やトレンドが一堂に会す、印刷およびグラフィック業界における世界最大の展示会
オフタイム:メダカに癒される週末
趣味として、ここ5年間メダカを飼育しています。きっかけは、両親が育てていた観賞用メダカの卵を譲り受けたことでした。徐々に繁殖が進みましたが、3年前に野生のアライグマに荒らされ、ほとんどのメダカを失いかけました。
それでも生き残ったメダカと卵を育てることに成功し、今は4種類のメダカを飼っています。毎週末、彼らを眺めるのが楽しみです。
印刷の力で社会を豊かにする――その想いを胸に、上原は今日も現場に立ち続けています。
KOMORIのパーパスは、こうした社員一人ひとりの実践によって日々体現されています。一人ひとりの実践から生まれています