株式会社三祥印刷は、「技術による前進」をスローガンに掲げ、積極的な設備投資を通じて、製版・印刷・加工・配送まで一貫して手掛ける体制を築いてきた。同社は2024年から短期間に3台の印刷機を更新し、薄紙・超薄紙分野での安定稼働と、生産性の向上につながっている。その中核となったのが、2台のLITHRONE G44 advance EX Editionである。A全・菊全・四六全の計8台をオールKOMORI、オールH-UV機として揃える中、なぜ advance EX Editionを選択し、同機はどのような成果を上げているのか。金澤功会長、金澤嗣浩社長、川口工場工場長の大場幸廣氏、同工場部長の吉田裕介氏にお聞きした。
全機 advance EX Editionを目指して段階的な設備更新
㈱三祥印刷は、1977年に刷版専業会社として創業し、その後、製版・印刷・加工・配送まで一貫して請け負う体制を整えてきた。現在では、受託印刷を主軸に、カタログ・ポスター・書籍など多様なニーズに対応している。
同社は、創業以来KOMORI機を使い続けてきた。現在、A全判・菊全判・四六全判の計8台を、サイズ・ロット・条件に応じて使い分けることで生産性を高めている。
オールKOMORI機であることから、操作やメンテナンス、部品管理が共通化され、生産状況に応じてオペレーターが他の印刷機にも対応できる体制が整っている。全国に拠点があり、サービス技術者の数も多いKOMORIのサービス体制によって、トラブル時にも迅速な対応が受けられる点への信頼度も高い。「導入して20年、30年後を考えたときに、もうKOMORIしかないと思っています」 と金澤社長。こうした長期的な信頼関係を背景に、同社は機械性能だけでなく、運用やサポートまで含めて advance EX Editionを評価し、段階的な設備更新を進めている。
導入のきっかけは、2023年3月、KGCで実施したLITHRONE GX40RP advance EX Editionの印刷テストだった。
「超薄紙が刷れるのかが、ポイントでした」 と金澤社長。テストでは、A判グロス25.9kgとA3コート35kgといった、あえて難易度の高い薄紙を使用したが、結果は、期待を大きく上回るものだった。「驚くほどにきれいに印刷ができました。本当に良い機械だと感じ、帰る車の中で 『全部advance EX Editionに入れ替えたい』 と思いました」
同社は、薄紙・超薄紙への対応力を高めるため、2024年11月に、超薄紙対応を強化した仕様のA全機LITHRONE G37を、小ロット対応機種として導入。その成果を踏まえ、2025年11月に、四六全機のLITHRONE G44 advance EX Edition 2台(GL-544AとGL-444A)を導入した。この2台の導入により、同社の四六全機は計5台体制となった。「既設の3台は厚紙をメインに、今回の advance EX Editionの2台は性能を生かし、薄紙、超薄紙を担っています」 と金澤社長。
同社は、今後も段階的に設備更新を進める方針で、今夏には菊全機のLITHRONE GX40RP advance EX Editionへと、更新する計画も進められている。
給排紙性能向上とe-Mist
金澤社長がadvance EX Editionを高く評価する理由について 「給紙部の前あて幅広化やe-Mist、デリバリーのファンゾーン制御など、給排紙性能が向上した点が、一番良くなったところだと感じています」 と話す。現場での効果について吉田部長は 「前あてのセンサー部分は、紙癖があってもきちんと前あてに入るようになりました。以前は薄紙の場合、前あてを飛び越えてしまい、給紙で止まることもありましたが、今はその心配がほとんどありません」 と話す。また、e-Mistによる静電気発生を抑制させる効果も大きい。「e-Mistのおかげで、静電気が原因で、次の紙を引っ張り込んでしまう現象が起きなくなりました」 と給紙の安定性を語る。大場工場長は 「見当精度や紙揃えの良さを日々実感しています。紙がきれいに揃って排出されるため、紙積みをし直すことなく、反転してすぐに上がり面の印刷に入れます」 と、段取りの手間削減と生産効率向上を実感している。こうした効果により、今後すべての既設機に、e-Mistをレトロフィットすることを検討している。
生産性が10%向上 回転数が上がり損紙も削減
新台導入により、生産性は向上している。「advance EX Editionになって生産性は従来よりも10%から15%は向上しています」 と金澤社長。一方、薄紙の生産について吉田部長は、「印刷速度は以前より1000回転〜2000回転以上も上げられています」 と話す。
advance EX Editionの特長として、最新の解析技術をもとに最適化されたローラー配列、スマートインキングフローがある。これによりインキの状態変化に対する追従性が高まり、刷り出し時の調整が安定しやすくなっている。大場工場長は 「より正確に早く反応するので、機長も判断がしやすくなり、色合わせに使う損紙も削減できています」 と、段取り時間の短縮につながっている点を評価する。吉田部長も 「ローラー数が減っているので、ローラー交換やメンテナンスもやりやすくなっています。カバーを外すだけでニップ確認ができ、5分程度で日々のメンテナンスができます」。また、DCブロアーについて大場工場長は 「前のKOMORI機から使っていますが、電気代の面で貢献しています」 と省エネ効果を話す。
「技術による前進」とKOMORIの進化への期待
金澤社長は 「さらにお客様満足を図り、営業が受注を頑張り、現場が良いものを印刷する。会社のスローガンにしている 『技術による前進』 に継続して取り組んでいきます」。KOMORIへの期待については、「機械が進化しないと、自分たちの仕事も進化しないので、今後も良い機械をつくっていただきたい」 と語った。
KP-Connect Proを活用して全8台の機械を一元管理している。「事務所で進行状況などを全て把握でき、能率も見えます」と大場工場長。進捗共有がスムーズになり、現場と事務所間のやり取りも減ったという。
LITHRONE G44 advance EX editionと三祥印刷の皆さま
導入にあたっては、省エネ補助金と東京都補助金を活用した。「約1年間で3台の機械更新があり、かなり資金面でも負担は大きかったのですが、KOMORIのサポートが導入の支えになりました」と金澤社長。
[関連情報]
■ソリューションサイト:LITHRONE GX/G advance EX Edition
■製品情報:LITHRONE G44 advance EX Edition



