2025.10

台湾・Global Ace 様

Global Ace × KOMORIのKP-Connect:標準化で効率向上、自己成長を促す印刷の日常

  • Chao Po Ying
    シニアマネージャー
    Chao Po Ying 氏

1977年に創立されたGlobal Ace Color Print Co., Ltd.(以下、Global Ace)は、日めくりカレンダーや銀行通帳、パッケージなどを製造する印刷会社です。ブランド力を活かした差別化戦略を展開し、印刷業界の中で、「伝統文化や美しさ、感動を未来へとつなげていく」ことを使命としています。

シニアマネージャーのChao Po Ying氏は印刷業界の二代目ですが、専門は印刷とは異なる工業デザインでした。そのため社員とのコミュニケーションに多くの時間を費やしてきましたが、理解を得るまでに苦労することもありました。業界全体がデジタル化やスマートマニュファクチャリングへと進む中、Global Ace が「標準化」「デジタル管理」を実現する印刷会社を目指すには、変革が必要でした。
そんな時、プリンティングスーパーバイザーのChou Yi De氏の一言が大きな後押しとなりました。
「もし会社が世界で最も標準的な印刷会社を目指すなら、この道を進むしかありません。」
ちょうどその頃、Komori Taiwan Limited(コモリ・タイワン)がクラウド型印刷管理システム KP-Connect を推進しており、Chao Po Ying氏はすぐに導入を決断。LITHRONE G40 への搭載を皮切りに、オペレーター教育から社内全体への展開まで、全面的な改革をスタートさせました。これは単なる業務改善にとどまらず、考え方やマネジメントスタイルそのものを変える"意識改革"でもありました。

経営管理の視点:データで語る、見える改善

Chao Po Ying氏が KP-Connect導入を決めた理由は、従来の紙ベースの日報に依存する管理体制に限界を感じたためです。現場状況や問題点をリアルタイムに把握できず、分析も常に後手に回っていました。
しかし KP-Connect導入後は、稼働データが自動で記録され、印刷機の状況を即時かつ正確に把握できるようになりました。
「まるで飛行機のブラックボックスのように、すべての操作軌跡が残る。それが最大の変化ですね」とChao Po Ying氏は語ります。
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導入当初には社内に抵抗もありました。新しいシステムに負担を感じたり、データの正確性に疑問を持つ社員もいました。しかし、Chao Po Ying氏は「KP-Connectは監視のためではなく、業務改善のためのツールだ」とを根気強く説明し、理解を得ていきました。
その結果、会議の質が変わりました。以前は直感に頼った議論が中心でしたが、今は客観的なデータに基づく建設的な話し合いを行うことができます。責任追及ではなく、課題の特定と解決策の検討を行う場へと進化しました。
経営面では、KP-Connectは単なる効率化にとどまらず、「再現性のある標準化プロセス」の構築に貢献しています。今後の事業拡大や新人教育、部門間連携にも大きく貢献すると期待されています。 OPW_GA_03.jpg

現場管理の進化:改善を日常の習慣へ

Chou Yi De氏が導入効果として挙げるのは「現場にいなくても現場の状況を把握できる」こと。
異常や停止の原因が自動で集計・可視化され、優先すべき課題が一目で分かるようになりました。
「以前は1日10~12ジョブ程度でしたが、KP-Connectを活用した継続的な改善により、今では1日15ジョブを処理できるようになりました。生産性は約20%向上していますとChou Yi De氏。
さらに特筆すべきは、チームの「自発的な挑戦意識」が芽生えたことです。3か月ごとにKOMORI本社(日本)とのオンライン改善会議で、世界の導入企業と自社の実績を比較。これが健全な競争心を刺激し、「もっと上を目指そう」という動機につながっています。
当初は戸惑いもあった現場ですが、課題を解決して業務がスムーズになったことで、抵抗感は次第に前向きな姿勢に変わりました。KOMORIへの要望も受け身から積極的な提案へと変わり、改善そのものが双方にとっての喜びとなっています。OPW_GA_04.jpg

オペレーターの視点:KP-Connect は頼れる家庭教師

リードプレスオペレーターのPeng Chen Yu氏も、最初は「ボタン操作が増えて面倒」と感じていました。しかし、会議で数値を根拠に状況を説明できるようになったことで、見方は変わりました。
「KP-Connectは印刷現場の"家庭教師"のような存在。記録・分析してくれるだけでなく、意味のある議論の土台を提供してくれます」
特に、KOMORI営業技術課の白石によるアドバイスで KHS-AI 設定を調整した結果、インキの供給精度と印刷速度が飛躍的に改善。「無駄な試行錯誤が減り、達成感も増しました」と話します。
Peng Chen Yu氏にとって KP-Connect は単なるツールではなく、オペレーターの成長を後押しする学習プラットフォームでもあります。

KOMORIとの協働:サプライヤーから"共創パートナー"へ

導入から改善提案まで、KOMORIは台湾と日本のチームが迅速かつ実践的なサポートを提供しました。
特に四半期ごとの改善会議では、単に課題を解決するだけでなく、グローバル事例の共有やデータ比較を通じて、Global Ace に最適化された総合的なソリューションが提案されました。
Chou Yi De氏は「以前は受け身でしたが、今では積極的に改善を要望するようになりました。これは関係性の変化であり、信頼の構築でもあります」と語ります。
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効率化から企業文化の変革へ

Global Ace における KP-Connect 導入は、単なるシステム刷新にとどまらず、企業文化の転換をもたらしました。
経営戦略から現場改善、オペレーターの成長に至るまで、あらゆるレベルで変化が起こり、効率と企業価値の再定義が進んでいます。
伝統的な印刷会社でありながら、Global Ace は常に「伝統にとどまらない挑戦」を続けています。新技術の導入だけでなく、紙文化の温もりと美しさをデジタル時代に継承し、印刷を"洗練された体験"へと昇華させる。その姿勢こそが、KOMORIとの協業による成長と革新の証です。OPW_GA_05.jpg

台湾・Global Ace

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