Woodmansterne 社は、1953年の創業以来3世代続く家族経営で、現在はSeth Woodmansterne氏がCEOとして事業を発展させている。1980年代にカラー写真の投影用スライド製造からグリーティングカード製造にシフトした同社は、ユーザーの共感を得るユニークなデザインを生み出し、現在年間4,000万枚以上のカードを生産。カードを贈る文化で知られている英国の中で最大のグリーティングカード製造会社の一つとなっている。同社では独自の生産体制を敷いており、カードにはFSC認証紙を、封筒には100%リサイクルの高級紙を使用し、仕上げ工程では長年培ってきた高精度な技術を用いている。
成長ビジョンに基づいたKOMORI とのパートナーシップ
需要の高まりと技術革新の必要性に直面した同社は、建設中の新工場に最新鋭の6色印刷機LITHRONE GX40RP advanceの導入を決定した。これは、生産効率、品質、そして持続可能性の観点から徹底的に評価された結果であった。
オペレーション&ITディレクターのAdam Osborne氏は「KOMORIは本当に時間をかけて私たちの課題を理解してくれました。ただ機械を売るだけではなく、パートナーとして、私たちのビジネスモデルに最適なソリューションをカスタマイズして提案してくれました」 と説明する。
導入されるLITHRONE GX40RP advanceの際立った特長は、片咥えによる用紙搬送技術である。安定した用紙搬送により、印刷工程全体で紙が完璧に揃った状態を保つことができ、後工程でのトラブルによる無駄を削減し、カードの品質向上が期待できる。さらに、インラインコーターとH-UV乾燥システムにより従来の乾燥方法や余分な作業が不要となり、生産時間が大幅に短縮される。また、より大きなB1サイズの印刷へ移行することで、印刷生産効率を3倍にできると予測されている。面付けの平均枚数を6 枚から12枚に増やすことで、品質を維持しながら高まる需要に対応できると期待が大きい。Osborne氏は「 効率とはスピードだけではありません。無駄を減らし、精度を高め、ワークフローを最適化することが重要です。LITHRONE GX40RP advanceは、エラー検出から自動版交換まで、あらゆる面で期待に応えてくれると確信しています」 と話す。
KOMORIの工場を訪問した際、特にギアの製造工程において、最先端技術と伝統的な職人技の融合を間近に見たことが、深く印象に残ったという。Osborne氏は、「KOMORIが細心の注意を払い、細部にわたり正確なものづくりを行っているのを目の当たりにして、卓越した技術を感じました。私たちと同じレベルで品質を重視するパートナーがいて心強いです」と、両社のパートナーシップを強調した。
企業使命としてのサステナブルな未来への協力
サステナビリティを中核的な価値として位置付けている同社では、これまでプラスチック包装の廃止や倉庫のネットゼロカーボン施設化などに取り組んできた。LITHRONE GX40RP advanceの導入は、サステナビリティ促進からも重要な選択となった。今後、H-UV 乾燥システムによるエネルギー消費量の大幅削減や、LED技術の新規導入等により、環境への配慮を数十年単位で継続できると計画している。Osborne氏は「KOMORIとのパートナーシップは、私たちの企業価値を体現しています。私たちはただカードをつくっているのではなく、その先にある楽しいひと時をサステナブルかつ効率的につくっているのです」 と結論付けた。
倉庫はネットゼロカーボン施設で、LED照明、雨水回収システム、太陽光発電システムを備えている。