2019.09

キング印刷株式会社 様

「パッケージ印刷 × 小ロット」 経営戦略に
アプリシアDC105とリスロンG40がフィッフィット。

  • 伊東 邦彦
    代表取締役社長
    伊東 邦彦 氏
  • 鈴木 剛
    執行役員製造本部長工場長
    鈴木 剛 氏
  • 関水 祐之
    印刷課 課長
    関水 祐之 氏
  • 佐藤 祐太
    印刷課 チーフ
    佐藤 祐太 氏

「もう一回チャレンジしよう」その決意が会社を変えた

リスロンG40(菊全判1色オフセット枚葉印刷機コーター付)を含め、保有する6台のオフセット印刷機の全てが、LED UV機だというキング印刷㈱。わずか5年前までは、LED UV機は1台もなかった。「長らく、年賀状の印刷を事業の一つの柱としてきました。年賀状の仕事は、2000年代初頭にピークを迎え、以降は年を追うごとに減少していきましたが、何も対策を取れずにいました」 と、過去を振り返る伊東社長は、「攻め手がなく、社員もすさんでいた」 と当時の心情を打ち明ける。それが、震災を機に一転した。
「震災直後は、将来に対する希望がなくなり、ますます年賀状にすがるように。中古の軽オフ機を買い、自分たちで修理して稼働させていました。一番新しい機械が17年前のもので、近い内に駄目になると分かっていながら......。そのどん詰まりの状況を変えたのは、『もう一回チャレンジしよう』 という強い決意です」
決意とともに動き出した、再建への道のり。伊東社長は、他社ができるだけ手を出していない分野かつ、オフセット印刷で勝負できる事業モデルを模索し、その結果、「パッケージ印刷×小ロット」 に狙いを定めた。
「この先も安定した需要が見込めるのがパッケージでした。なぜ小ロットなのかというと、エンドユーザーが、パッケージに付加価値を求めるようになってきていたからです。一方で、パッケージをメインでやってきた印刷会社は、大ロットで成立するモデルで事業を成長させてきたところばかり。小ロットの受け皿はありません。そこで、そのようなパッケージ会社から、小ロットの案件を請け負うという経営戦略を立てました。それを実行する印刷機として選んだのが、LED UVです」
LED UV機を最初に導入したのは、2014年のこと。LED UVはインキの臭いが少なく、パウダーが不要なため工場内が清潔に保てる。その利点が「パッケージの臭いと汚れ」 という、潜在的な課題を抱えていたクライアントに響いた。「この効果は食品系の会社には特に喜ばれ、包装紙の仕事へと広がりました」 と、手応えを感じた伊東社長は、その後、LED UV機の種類を増やしていき、業務を拡大させていった。

アプリシアDC105でパッケージの生産を充実

「パッケージの仕事がうまく回り始めると、大きなサイズの抜きもやってほしいと頼まれるようになりました。最初は、外注していましたが、外に出す分だけ、営業利益が下がり、引き渡しまでに日時を要することが課題でした。そこで、昨年、アプリシアDC105(菊全判寸延自動平版打抜機)を導入。横持ちがなくなったことでコストも下がり、短納期を実現できるようになりました。受注も拡大しています」 と、伊東社長。
現場は、アプリシアDC105導入の効果を、どのように感じているのか。鈴木工場長は次のように語る。
「まだ本格稼働ではなく、営業を通じてサンプル配布するなど事業の種まきをしている段階です。見当ずれは基本的になく、安定しています。今は、むら取りに時間を要していますが、訓練で解決できることでしょう。パッケージの短期案件は、機械の停止が命取りになります。安定性とメンテナンスの体制も加味して、メーカーを選ぶべきです。その点、KOMORIは仙台にも拠点があり、素早い対応で非常に助かっています」
また、印刷課の関水課長は 「再版ものに関しては、すぐに取り掛かれる状態になってきました。当社は薄紙のパッケージの仕事も多いのですが、薄紙の型抜きにも手応えを感じており、新しい使い道にもチャレンジしたいです」 と、アプリシアDC105に期待する。

「将来への期待感」をもたらすKOMORI

同社は昨年、6台目のLED UV機として、リスロンG40(菊全判1色オフセット枚葉印刷機コーター付)を導入している。その背景には、インキのレベリングの問題で、つや不足で中止になったパッケージの仕事があった。伊東社長は、 「ニスコーターを導入することにし、せっかくなら印刷胴も1つ付けることを考えました。『ニスの仕事が入ってきたら、ハジキニスを塗って擬似エンボスを』 と計画し、そのオーダーに唯一対応してくれたのがKOMORIでした」 と、KOMORIの柔軟な対応を評価する。
また、印刷課の佐藤チーフは、「コーターニスが初めての導入だったため、勉強することから始めました。その際にもKOMORIに勉強の機会を設けてもらい助かりました。実際に稼働させてみて、アニロックスローラーでのニスの光沢に驚くとともに、樹脂版を利用したスポットニスやハジキニスを使用しての擬似エンボスなど、印刷物にさまざまな付加価値を付けられ、無限の可能性を覚えました」 と、今後の可能性に胸を躍らせている。KOMORI機導入によって、キング印刷は何が変わったのか。「今は、社内に将来への期待感があふれていて楽しい」。伊東社長のこの言葉に全てが詰まっている。

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清潔感のある工場内に設置された、アプリシアDC105とリスロンG40。
「ワンフロアに集約することで、マルチオペレーションと効率化をを両立させていきたいです」と、伊東社長は今後の展望を語る。

キング印刷株式会社

本社:福島県福島市下鳥渡字新町西6-1
TEL : 024-544-2121

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