岡山市で創業以来、地元銀行や地域産業の印刷物を手がける株式会社岡文館印刷所。中でも学生服メーカーとの取引を中心に、厚紙を使用したパッケージ印刷に強みを持つ。同社は2025年1月、既設オフセット印刷機の更新でB2サイズデジタル印刷機Impremia IS29sを導入し、高品質印刷、短納期、小ロット案件への対応強化、コストの見える化に取り組んでいる。
その導入の背景と効果について、岡部憲一郎社長、営業企画部課長の原野良昭氏、ソリューション事業部課長の永村智哉氏、印刷管理部デジタル課課長の安井徹氏、同課班長の板野孝成氏にお聞きした。
Impremia IS29sで複数の課題を解決
1932年に創業した(株)岡文館印刷所は、地元の銀行や地域の産業を印刷で支えてきた。同社の強みは、企画段階から用途に合わせた製品対応だ。パッケージ分野では、展開図の作成からデザイン、印刷、トムソン加工、貼り加工までワンストップでサービスを提供している。また、配達部門を有し、県内を対象に配送まで自社で担う体制も整えている。
Impremia IS29s導入の背景には、既設オフセット印刷機の更新があった。「機械の老朽化や原材料高騰、人材不足などの影響で、社内で対応できない案件が増え、外注が増えていました」 と岡部社長。営業企画部の原野課長は 「外注すると価格面のメリットが出せず、納期も余計にかかってしまいます」 と導入前の課題を振り返る。
複数メーカーの機種を比較検討し、Impremia IS29sを選んだ。「両面見当精度、咥えの部分や針の向きなど後工程を考慮した設計や、オペレーションの簡便さといった、印刷機メーカーならではの視点が、導入の決め手となりました。また、当社にはUV印刷機がなかったため、速乾性や原反への対応といった要素も短納期や特殊紙案件への対応力として重視しました」 と岡部社長は説明。中国・四国エリアでの初導入となった。
経営目線での効果 コストの見える化と利益率の向上
導入によって得られた最大の成果は、コストの見える化が実現したことだ。「従来の印刷機では〝見えないコスト〟が多く存在していました。使用インク量などのコストの見える化が進み、利益の有無が即座に把握できるようになったことは特に大きな導入効果と感じています。また、損紙の削減や刷版レスなども大きなメリットです」 と岡部社長は評価。コストが可視化されたことで、営業が適正な価格設定や案件選別をしやすくなり、案件ごとの利益率が向上した。
現場の変化と短納期対応力の向上
人材活用面にも大きな変化をもたらした。「自社で色校正と同じ品質の印刷が可能になり、営業部門や現場では品質への意識が高まりました」 と岡部社長。さらに、「従来は4色オフセット印刷機を2人で運用していましたが、Impremia IS29sは操作性が向上したことで1人での運用が可能になりました。機長経験者には現場の指導を担ってもらい、現場全体のスキルアップにもつながっています」。安井課長も 「作業工程が大幅に短縮され、特別な経験がなくても短期間で機械の操作を習得できました」 と話す。
短納期対応については、「以前は残業や人力での短納期対応が多かったのですが、機械の速乾性やセット時間の短縮によって、社員の負担を増やすことなく短納期を実現できるようになりました」 と岡部社長。特に「ユポ紙やフィルムなどの素材でもUV印刷機の速乾性によって乾燥時間を気にせず、迅速な対応が可能になりました」 とメリットを挙げる。
刷版やインキ準備が不要で、データ入稿後すぐに印刷・色校正ができるようになっている。板野班長は 「1枚目から品質の高い印刷・色校正が実現できます」 と、現場での効果を語り、原野課長も 「その日のうちに対応できるため、顧客から喜ばれています」 と顧客満足度の向上を実感している。
Impremia IS29sを操作する板野班長。以前の機械では紙積みを担当していた。
「トラブルが発生した際には、エラーコードや原因箇所が表示されるため、すぐに対応できる点がとても良いと感じています」
小ロット案件の獲得と高付加価値提案の実現
営業提案の幅も広がり、原野課長は 「従来のオンデマンド機では対応できなかった、B2サイズまでのサンプル作成が可能になりました。また、最終製品と同じ方法で印刷できるため、納品時の色調や品質のブレがなく、安心して提案できます」 と語る。同社では、K-カラーシミュレーター2でオフセット印刷機とのカラーマッチングを行っており、案件ごとに最適な機械を使い分けることで、柔軟かつ効率的な生産体制を実現している。これにより、品質とコストのバランスを最適化し、利益率の向上にもつなげている。さらに 「刷版が不要で予備紙もほぼ不要なため、小ロット案件をより手頃な価格で提供できるようになり、受注が増えました」 と原野課長。特色印刷にも柔軟に対応できるようになり、「DIC設定を活用して特色インキを使わずに近い色を再現できることも、顧客から好評です」 と話す。
パッケージサンプルとSDGs の取り組み。
100周年に向けた新たな挑戦 SDGsへの取り組み
創業100周年に向けた取り組みを進める同社。提案営業を担当する永村課長は 「環境負荷の低減や損紙削減といった要素を提案書に盛り込み、顧客に環境面でのメリットを訴求できます。Impremia IS29sは、岡文館印刷所の新しい時代を築く機械です」 と話す。
岡部社長は 「100周年に向けて、環境への取り組みを含め、岡文館印刷所の確かなステータスを築き、働く人や関わる人が幸せになれるよう、日々努力していきます」 と語った。
Impremia IS29sと岡文館印刷所の皆さま
[関連情報]
■ソリューションサイト:Impremia IS29s
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