2023.5

丸山印刷株式会社 様

KOMORIのリスロンG40アドバンスを導入
高生産性・高品質の 「標準」をつくる

  • 丸山  恵右
    代表取締役社長
    丸山 恵右 氏
  • 北野 芳朗
    取締役 製造部
    北野 芳朗 氏
  • 濱田 好則
    製造部 部長
    濱田 好則 氏
  • 北風 一美
    製造部印刷課 課長
    北風 一美 氏
  • 安東 恭司
    製造部印刷課 係長
    安東 恭司 氏

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兵庫県に本社と工場を構える丸山印刷株式会社は、1914年に創業、109年の歴史ある印刷会社。地域に根差して、デザイン、企画からプリプレス、プレス、ポストプレスまで一貫製造体制を整えてきた。昨今は短納期ニーズが高まるなど、生産の効率化が喫緊の課題となっており、LED-UV搭載リスロンG40アドバンス(菊全判6色オフセット枚葉印刷機)とアプリシアCTX115(プログラム油圧クランプ大型断裁システム)を導入した。導入の狙いや効果について丸山恵右社長、取締役 製造部の北野芳朗氏、部長の濱田好則氏、課長の北風一美氏、係長の安東恭司氏にお聞きした。

新しい設備がもたらす「心の変化」に期待

丸山社長は、丸山印刷㈱の特色として、カレンダーの印刷・製本・加工や、各種ラベルのデザイン・印刷・加工までの一貫製造を挙げる。全国カレンダー展(日本印刷産業連合会)で複数の受賞歴を持つなど、製作物の評価も高い。
同社では、複数台ある設備の老朽化が進んでおり、生産性、品質などはオーバーホールにより当初のスペックを保持しているものの、故障や部品手配の心配が尽きなかった。また一方で、短納期に対応できる機械も求めていた。久しぶりの設備更新にあたり、丸山社長には 「変化を製造部にもたらしたい」 という並々ならぬ思いがあった。「短納期ニーズに対応するためには、準備・切り替えをよりスピーディーにしていく必要があります。今までのやり方がダメというわけでなく、今までの延長線上ではないという感覚を、多くの人に持ってもらいたかった。きっかけがあれば、人は変化しやすい。KOMORIの機械を導入することで、設備面から生産力を高めると同時に、人の心を変えたいという思いがありました」 と話す。
検討にあたっては、KOMORI機を導入している会社4社を見学した。製造部の北野取締役は、「見学させていただいた会社の社長や工場長には、その後も相談にのってもらっています」 と語る。決断の後押しと同時に新たな縁も生まれた。

不安は講習で解消 導入3週間で本格稼働

2023年2月から、LED-UV搭載リスロンG40アドバンスを本格稼働させた。既設機と操作性の違う新台は非常に短い期間で立ち上げが完了し、生産機としての役割を果たしている。その要因について、北野取締役は「搬入前に担当のオペレーター4人と、KGC(小森グラフィックテクノロジーセンター)・西日本支社に赴き、オペレーション講習を重ねることで不安を解消していった」 と話す。講習に参加した北風課長は 「講習で実機の操作や、搬入時にKOMORIの方に指導を受けたことで、操作性や給水機構の違いが理解でき、特に困ることはなく、ほぼ垂直に立ち上げることができたと思います」 と振り返る。

前向きな変化が生産性向上に寄与

新たに搭載された機能がこれまでの課題を解決し、生産の効率化が図れている。濱田部長は短納期ニーズの増加について、「これまではインキの乾燥待ちの課題がありました。唯一のUV機も菊半裁機で、前工程で白紙断裁が必要でした。菊全のLED機を導入したことで、断裁の手間とコストをかけずに短納期対応が可能となりました」 と語る。乾燥待ち時間もなく、生産計画も立てやすくなったという。
また、同社では本機校正の仕事が非常に多い。北風課長は、「ハンディータイプの濃度計でベタパッチを計っていたため、品質の厳しいものは色合わせに1時間以上かかることもありました。分光式色調管理装置PDC-SXを導入したことで、今では30分くらいで高品質かつ濃度差のないものが刷れるようになりました」。また、濱田部長は色の立ち上げについて、「濃度がグラフで確認でき、基準値に入っていれば、誰が見てもOKと判断できる。色に対して悩むことがなくなり非常に楽です」 と評価する。
北野取締役は、品質検査装置PQA-Sについて 「検査装置は必須になっています。検査機ありきの仕事もあるが、自信をもって品質保証できます」 と語る。北風課長は「従来は別の部屋の紙面検査装置で検査していたので、時間も人件費もかかっていた。PQA-Sはインラインで検査した状態で刷り上がるので、すぐに後工程にまわせます。品質要求が厳しい中、この速さはメリットです」 と話す。
生産性向上に最も寄与しているのは、印刷スピードの変化だ。従来の1万回転前後の仕事が、最高速度1万6500回転で生産できるという。それを支えているのが、アドバンスの給排紙性能だ。「給紙設定が自動でできます。用紙種別によるエアー調整を記憶させているので、今は最高速で印刷できています」。 結果、1日のジョブ数が大幅に増加した。本格稼働から2カ月で、すでに品質や生産性に良い変化が表れているという。
op219_user_a_007.jpg「この2カ月、自分なりにこの機械のいいところや、効率の良い作業性を考えながらやってきた。かなりうまく使えるようになったと思っています。これからもっともっといろいろな面で速く仕事をこなして、製造高を上げていきたいと思っています」(安東係長)

新台とKP-コネクトで新たな「標準」をつくっていく

「この導入を機に、おのおのの 『標準』 を見直し、カラーマネジメントにも取り組んでいく」 と話す丸山社長。さらにKP-コネクトによる 「見える化」 も推進するという。「機械稼働が自動で記録され、客観的な報告を得ることができます。全員が同じデータを見て考えられることは、次の変化を生み出すために非常に大事なことです」 と情報共有の重要性を強調した。
最後に 「戦略の中心にあるのは 『感情・感動』。価格以外の評価項目に重点を置いて活動していきたい」 と語った。op219_user_a_009.jpg
右;濱田部長は「いろいろ評価した資材品の中でもK-サプライは安定していると思います。一般的に金、銀インキは難しいですが、アドバイスをいただきながら使っていきたい」と話す。
左;油性では乾燥時間が必要となるため、菊全の機械で24時間回すと、パレットで10数台分にも及ぶ滞留が発生していた。リスロンG40アドバンスで刷り上がったものは、素早くアプリシアCTX115などの後加工へ持っていけるようになった。

[関連情報]
ソリューションサイト:アドバンス
製品情報:リスロンG40アドバンス

丸山印刷株式会社

本社:兵庫県高砂市神爪1-11-33
TEL: 079-432-1511

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