技術で価値を届ける、システム開発者の挑戦

小西 崇弘 DPS開発部DPSシステム開発課

08 September 2025

DPS開発部DPSシステム開発課の課長である小西崇弘に、現在の仕事や将来の展望、そしてお客様にプリントテクノロジーを届けるということについて聞きました。 DPS開発部は、KOMORIのデジタル印刷機の開発を担う部門です。デジタル印刷は、可変印刷や短納期対応など、オフセットとは異なる印刷ニーズに応える技術。小西は、印刷現場の負担軽減や廃棄物の発生抑制につながるこうした技術の開発を通じて、より持続可能で柔軟な印刷環境の実現に取り組んでいます。

技術者としての歩みと現在の挑戦

2008年に入社し、オフセット印刷機向けの検査装置システムの開発を担当していました。2017年にDPS開発部へ異動し、現在はデジタル印刷機のシステム開発を担当しています。私たちが開発しているのは、インクの吐出制御やドットパターン設計、画像補正などを通じて印刷品質を高めるシステムです。写真やグラフィックの美しさを最大限に引き出すことで、高精細な印刷が可能となり、販促物やパッケージの価値を高めています。また、誰でも簡単に高品質な印刷ができるよう、ジョブワークフローの自動化やイージーオペレーションの仕組みも整えています。こうした技術は、単なる効率化にとどまらず、印刷現場の負担軽減にもつながっています。

バリアブル印刷がもたらす感動

お客様の現場でバリアブル印刷が実際に行われている場面に立ち会うとき、特に社会への貢献を実感しています。1枚ごとに異なる絵柄や情報を連続して印刷できるこの技術は、従来のオフセット印刷では複数工程が必要になり難しかったパーソナライズ印刷を可能にします。必要なときに必要な量だけ印刷できるオンデマンド印刷は、資源の無駄を減らし、環境にも優しい印刷方式です。まさに、KOMORIのパーパス「プリントテクノロジーで社会を支え、感動をもたらす」を体現していると感じました。

目に見える価値を届ける仕事

印刷現場では、人材不足や複雑な工程の技術継承といった課題が深刻化しています。だからこそ、誰でも簡単に使える印刷機の開発には大きな意義があると感じています。現在の業務の一番の魅力は、技術を通じて"目に見える価値"を生み出せることです。印刷品質の最適化を進め、お客様が求める高品質な印刷を実現することに力を注いでいます。また、誰でも簡単に使える印刷機を目指して、操作性や工程の効率化にもこだわっています。お客様から「印刷物がきれい」「使いやすい」「作業が楽になった」という声をいただくと、本当に嬉しいです。
将来的には、誰もが簡単に高品質な印刷物を制作できる、使いやすく高性能なデジタル印刷機を開発し、印刷時に発生する資源の無駄を減らし、必要なときに必要な量だけ印刷できる仕組みを広めることで、より持続可能で柔軟な印刷環境の実現に貢献していきたいと考えています。

印象に残る成功体験:海外でのトラブルシューティング

オフセット印刷機向けの検査装置システムの開発では、海外のお客様先でのトラブルシューティングを経験しました。当初は原因不明なシステムエラーだったため気がかりでしたが、現地に飛び、対応を無事に完了させることができました。そのお客様から2台目の受注をいただいたことが思い出に残っています。

オフタイム:家族と旅する時間

家族での旅行が趣味で、最近では宮古島を訪れました。子どもが初めて見るエメラルドグリーンの海に目を輝かせながら感動し、帰宅後にも絵に描いていたことが印象に残っています。これからも、さまざまな経験を通じて成長していく子どもの姿を見るのが楽しみです。

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印刷現場の課題に向き合い、技術で感動を生み出す──小西の仕事は、KOMORIのパーパスを日々の業務の中で体現するものです。