【社員インタビュー】働くっておもしろい(「メトロミニッツ」4月号掲載)

日時:2026年05月20日(水)

※本記事は東京メトロのフリーペーパー「メトロミニッツ」4月号ならびにWebメディア「Coppo!」の特集「働くっておもしろい」に掲載された記事を転載しています。

1枚の紙片に"紙幣" という価値を刷る

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株式会社小森コーポレーション
証印事業本部 証印営業部 海外証印 2 課 
松島 久美子 さん

日本ではぐくまれた世界を支える技術

印刷業ではなく「印刷機製造業」。書籍やポスター、パッケージ、世の中に数ある印刷物を生み出す機械そのものを作るのが、小森コーポレーション。なかでも紙幣やパスポート、証券のプリントテクノロジーは世界トップレベルを誇ります。身近なのに意外と知らないお札が作られる裏側を、証印営業部の松島さんにうかがいました。

松島: 英語を活かした仕事がしたく、世界を舞台に働けるこの会社を選びました。2年前に今の部署に移り、アメリカやカナダ、マルタ島の担当として、証券印刷機の営業に携わっています。
1枚のお札には、ホログラムや透かしなどの特殊な加工が施されています。印刷技術において日本の紙幣はレベルが高く、容易に偽造できないクオリティを保っているため、私たちの印刷機は日本だけでなく海外の紙幣やパスポートの印刷にも使われているんです。競合企業は、ドイツにある1社のみ。たった2社の印刷機で、ほぼ世界中の紙幣の印刷が行われている現状があります。
紙幣の印刷は、各国の中央銀行や印刷局、民間企業など、国によってさまざまな団体が担っています。印刷機の販売は基本的に入札制ですが、お客様の理想を叶える技術を提案し、成功を支援することが私の役割です。
受注が決まればエンジニアと協力し、お客様の工場で印刷機の稼働が始められるよう、トレーニングも含めていちからサポートしていきます。

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紙幣やパスポート印刷のデモンストレーションやトレーニング、研究開発を行うKGC‑S(Komori Global Center‑Security)。営業とエンジニアが協力しながら、日々お客様の声に向き合っています。

紙幣を印刷する難しさは、偽造されない印刷物を安定した品質で作ることです。不良品を世に出すことは許されないため、検査の精度がより高い装置を提案し、お客様の課題解決にいかに向き合うかが肝になります。
技術向上はもちろんのこと、私たちの強みは"人" 。お客様に寄り添い、最後まで一丸となって伴走することを心がけています。設備で勝負するだけではなく、コミュニケーションをなにより大切にするのは、私たち小森コーポレーションの社風です。

今はパスポート印刷機の営業をメインに担当していて、出張で空港に行くたび、この旅券を自社の印刷機が手がけているのだと誇らしく思います。パスポートも紙幣も、言うなればただの紙片であって、それを価値あるものにするのは私たちのプリントテクノロジーです。日本のパスポートを海外で見せたときに、偽造を疑われることがまずないのは、これまで積み上げてきた技術に対する信頼があるから。ときには1人の人間のアイデンティティを証明するものになり、ときにはものを手に入れる対価になる。"価値" を刷っているということにやりがいと責任を感じます。
キャッシュレス決済が浸透し、紙幣の生産量が減少している国もありますが、それでも形ある「紙」には揺るぎない安心があります。日本ではぐくまれてきた技術を誇りに思い、これからも世界に向けて、自社商品の魅力を提案していきたいです。

AIの力を借りて人にしかできない仕事を創る

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株式会社小森コーポレーション
ブランド推進本部 ブランドコミュニケーション部 プロモーション課
石橋 英明 さん

期待を超えた先に「感動」がある

歴史ある事業を受け継ぐ一方、社内ではAIを導入した新たな試みも。企業と印刷機のPRを担う石橋さんに、デジタル技術を活かした仕事の展望を聞きました。

石橋: 自社の印刷機をお客様に届けるため、私たちプロモーション課が担っているのは、企業と商品のブランディングやPRです。印刷機は高額で、大きな買い物。お客様の不安を解消し、安心して購入していただく架け橋になることが私の役割です。

なかでも今進めているのは「スマートファクトリー」の提案で、これは印刷機単体だけではなく、受注から発送まで全体の生産プロセスを見直すことで、今よりも効率的に印刷物を生み出そうという考え方です。印刷に伴うコストがますます増している現代で、お客様にとって、なにが本質的な支えになるのか。高品質な印刷機を開発することだけではなく、私たちにできることを常に模索したいと考えています。

昨年社内で始まった試みが、AIを仕事に活かすアイデアを競うコンテスト。私たちの部署は、お客様へ印刷機のデモンストレーションをする際に、実際の印刷物に限りなく近いデザインをAIで生成する仕組みを提案しました。出版物や商品パッケージは、実物を試し刷りすることができない場合が多くあります。そこにAI技術を活かすことで、より本番に近いイメージを持っていただく狙いです。

また、ここ数年は動画コンテンツ制作にも力を入れています。商品の具体的な機能がイメージできるプロモーション動画を作ることで、購買動機につなげたいと、チーム内でも少しずつ編集技術を培っています。
歴史ある会社ですが、こんなふうに新たなアイデアを実践できる軽やかな社風があり、それは「感動=BeyondExpectations(期待を超える)」という経営理念にも通じています。

印刷機を通じたお客様との関係が何十年と続く中で、誠実に寄り添いつつも、期待の上を行く提案を行い、感動を届けたい。これからもAIやデジタルの力を活用しながら "人" を大切に、自分たちにしかできない仕事を創っていきます。

社員の笑顔のために、会社がしていること
"ACTIONS TO MAKE YOU SMILE"

Check Point①:季節の楽しみを届ける 社員食堂の日替わりメニュー

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日替わりの献立が充実した食堂は、社員の憩いの場。毎日のランチタイムを楽しみにしている社員も多くいます。丑の日にはうなぎがメニューに上るなど、季節を意識した提案も細やか。社員思いの福利厚生です。

Check Point②:働き方に寄り添う オフィスの一大リニューアル

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3 年前に本社をリニューアルし、フリーアドレスに。部署間の垣根が取り払われたことで、相談しやすい雰囲気が生まれ、社員間のコミュニケーションも円滑になりました。他部署と連携したプロジェクトも増えてきています。

Check Point③:働き心地を 住まいからサポート

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住宅手当も充実。
近年の家賃の上昇を受け、若手社員向けの借り上げ社宅制度を整え、安心して働き続けられる環境づくりに注力しています。同期社員の部屋は近くに置くなど、部屋割りにも総務の心遣いがうかがえます。


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ひと息つくだけでなく、社内交流やちょっとしたミーティングにも活用される、多目的なくつろぎスペースの「小森倶楽部」。
本社の食堂「IRODORI」は、"自然とのかさなり"をテーマに、自然に彩られる風景をイメージして名付けられました。印刷機械が表現する美しい色合いや、この場所から生まれるコミュニケーション、提供される料理など、様々な「彩り」を表しています。食堂名を大文字ローマ字で表記することで「KOMORI」と語感を近づけ、100周年を経て「I」「O」「O」を隠しメッセージとして込めています。
混雑しやすいお昼休みも快適に過ごせるよう、部署ごとの利用時間調整など、運用面でも細やかな工夫をしています。

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可動式の机を自由に組み合わせられるオープンミーティングスペース。開放的な環境だからこそ、偶発的な気づきやアイデアが生まれる場となっています。

会社訪問memo

紙幣もパスポートも一枚一枚が紙片であって、印刷されてできている。当たり前の事実に改めて気付きました。それをするのは機械でも、動かすのは人であって、ブレのないものをめざす限りない努力には仕事のロマンを感じました(瀬谷)
お二人とも最終的には機械より〝人″だと話していて、そこに確かな社風を感じましたね。これからお札を手に取るたび、その奥に在る小森コーポレーションの皆さんの顔が浮かびそうです(古川)

Photo:NAOKI SHIMODA(公式サイト:http://shimodanaoki.com
Text:KAORUKO SEYA(インスタグラム:@kaorukoseya
Illustration: Okuta
引用元:https://www.starts-cs.co.jp/coppo/article/komori01/
    https://www.starts-cs.co.jp/coppo/article/komori02/

メトロミニッツ[metromin.]とは

東京メトロのキーターミナル53駅で無料配布されている月刊ライフスタイルマガジン。"豊かな暮らしのヒントは「ローカルの日常」にある"をコンセプトに、「ローカルの日常」をテーマにした企画を通じて、東京の人々の日常がより豊かになるヒントを提供している。発行部数は10万部で、創刊以来、全ての号が配布消化率100%を継続しており、6~7日で完配している。

「働くって、おもしろい」とは

この連載は笑顔で働いている会社人を訪ね、それぞれに働くことの価値観を聞く「メトロミニッツ」の定期連載。
笑顔の社員が多い会社はきっといい会社だし、笑顔の社員が増えれば、会社はもっとよくなる。
そしていい会社が増えれば、社会は今よりも少しずつよくなっていくはず。
そのすべての起点は「社員の笑顔」。
この特集では、日本全国、いい会社のいい社員の笑顔を集めています。

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