印刷現場を止めない KOMORIサービスの総合力
日時:2026年06月23日(火)
社会が急速に変化する中、印刷現場に求められるのは、「止めない」ための仕組みです。
トラブルを減らし、安定した稼働を維持するため、メーカーに求められるサービスの役割は、従来の「修繕中心」からより広い視点で現場を支える総合的な支援へと変化していると捉えています。

本特集では、SHINKAするKOMORIサービスと現場を支える力に迫ります。
現場の変化に応える総合サービスへのSHINKA
技術革新が急速に進む現在、印刷市場を取り巻く環境も、これまで以上のスピードで変化しています。AIの急速な発展、デジタル化による印刷需要の変動、人材確保の困難さ、原材料やエネルギー費用の高騰、そして生産性向上への要求。「生産性向上」「技術者不足」「コストダウン」は、多くの印刷現場に共通するテーマではないでしょうか。
特に、近年の不安定な社会・経済の中では、設備投資のタイミングや規模を慎重に検討する印刷会社も少なくありません。印刷機械は耐用年数の長い設備である一方、機械の経年劣化を完全に防ぐことは難しく、使用方法や年数の経過に伴って生産性の低下や突発的なトラブルが増加するリスクは高まっていきます。
加えて、熟練技術者の世代交代が進む中で、「これまで社内で対応できていたメンテナンスが難しくなってきた」という声も聞かれます。メンテナンスを行う前にトラブルが起こってしまった、というケースもあるのではないでしょうか。突発的なトラブルは、納期への影響や現場の負担増加など、修繕費用以上の損失をもたらすことも少なくありません。
こうした背景から、印刷現場では「いかにトラブルを減らし、安定した稼働を維持するか」が、これまで以上に重要なテーマとなっています。
この課題に応えるため、KOMORIでは、迅速な修繕対応はもちろん、トラブルを未然に防ぎ既設設備を安定運用するための予防保全、現場力を補う運用サポート(印刷コンサルタント)、そして困ったときにすぐ相談できる窓口まで、「印刷現場を止めない」ためのサービス体制を整えています。
本特集では、「印刷現場を止めない」をテーマに、SHINKA(深化・進化・真価)し続けるKOMORIサービスをご紹介します。
修繕・予防・運用を一体で支える
KOMORIのサービスは、それぞれが連動しながら、印刷現場を支える一つの仕組みとして機能しています。
重要なのは、「止まったときに直す」だけでなく、「止まりにくい状態をつくる」「止まりそうな兆しを早めに捉える」「運用面の差を縮める」という複数の手を、一つの流れとしてつないでいる点です。
その中で起点となるのが、お客様からのご相談やお問い合わせを受ける窓口機能と、情報を蓄積・活用するための基盤機能を統合したコンタクトセンターです。ここで集約した情報をもとに、お客様の状況と課題に応じて、修繕、予防保全、計画工事、印刷コンサルタント、部品供給・印刷資材など、最適なサービスをご提案します。
KOMORIが目指しているのは、突発停止を減らし、万一止まっても早期に立て直し、その経験を次の安定稼働へと生かしていく循環です。
ここからは、各サービスが現場でどのように機能するのかを具体的に見ていきます。
予防保全が生み出す差
印刷現場において、突発的な機械停止は最も避けたいトラブルのひとつです。納期への影響、代替対応のコスト、現場スタッフへの負担。その影響は多岐にわたり、修繕費用だけでは測れません。
こうしたリスクを減らすために重要なのが、「壊れてから直す」ではなく、機械の状態を把握したうえで、止まりにくい状態をつくるという予防保全の考え方です。突発停止を減らし、安心して稼働を続けられる状態を保つことは、結果として生産性の向上や利益確保にもつながります。 その入口となるのが、一日で行う点検です。外観や主要部の点検を通じて、日常の稼働では分かりにくい劣化や調整のズレを早めに捉えることで、「突然止まる」リスクを下げることができます。
KOMORIが提案するONE-DAY CHECKでは、印刷機の状態を300以上の項目に基づいて点検し、給紙・排紙部、インキ・湿し水系統、圧胴・版胴、電気系統など、トラブルが発生しやすい箇所を網羅的に確認します。摩耗や劣化の兆候を早期に把握することで、どこに、いつ、どの程度手を入れるべきかを整理することが可能になります。「点検して初めて劣化に気づいた」という声も多く、現状を正しく知ることの重要性を実感いただいています。
点検結果は報告書にまとめ、それをもとに中・長期的な計画工事をお客様と一緒に立案します。計画工事は、単なる部品交換にとどまらず、設備の価値を高める提案も可能です。設備の信頼性と耐久性を回復させる機構の整備や、最新技術を取り入れて生産効率や印刷精度の向上、省エネルギー化を図るレトロフィットなどさまざまな選択肢をご用意しています。
図1、図2、図3は、オフセット枚葉印刷機LITHRONE G40を同時期に導入した2社の稼働データを比較したものです。A社は、納入3年目から毎年ONE-DAY CHECKを実施し、納入5年目以降に計画工事を実施している印刷会社です。一方、B社は基本的には計画工事を行わず、不具合発生時の修繕対応を中心としています。
2025年のデータでは、A社はB社と比べて平均ジョブ時間が約0.6倍に抑えられ、A能率(機械平均回転数)は約1.6倍と高い印刷速度で稼働しています。C能率(時間当たり生産枚数)は約4倍となっており、定期的な点検と計画的なメンテナンスを継続してきたことで、納入から10年が経過した現在も高い生産性を維持しています。
メンテナンスの有無は、停止回数だけでなく、安心して速度を上げられるか、調整に時間を取られないかといった日々の生産性にも影響します。予防保全や計画工事は、「コスト」ではなく安定稼働と生産性、そして利益を確保するための経営の選択肢と言えるのではないでしょうか。

計画工事で実施可能な性能回復、レトロフィットの一例
年劣化などで落ちた性能を回復する性能回復商品、機械の機能向上を図るレトロフィット商品などをラインアップしています。

機械と人、両面の力を引き出す印刷コンサルタント
安定稼働を左右する要素は、機械の状態だけではありません。操作方法や作業手順、品質管理の考え方、現場の段取りなど、「運用」の違いによって、同じ設備でも生産性や品質に差が生まれる場合があります。
「機能はあるが使いこなせていない」「担当者ごとに操作や判断が異なる」といった属人化を減らし、現場全体で同じ基準・同じ考え方で運用できる体制を整えることが、安定稼働と生産性の底上げにつながります。
KOMORIの印刷コンサルタントは、この「機械以外の要素」について、お客様の課題やお悩みに合わせて伴走支援をするサービスです。経験豊富なサービス技術者やKGCプリンティングカレッジの講師がお客様の印刷現場に赴き、印刷機に搭載されている機能を最大限に活用いただくための改善の糸口をつくります。さらに、現場改善や品質安定支援など、お客様のニーズに合わせた支援も可能です。
例えば、オペレーターの基本操作から応用までを体系的に習得する「枚葉印刷機操作指導コース」、プレインキングやリピートジョブの設定など、自動化システムを最適化する「KHS再設定コース」、日常保全の実践的な指導を行う「メンテナンス指導コース」など、現場の課題に応じた多様なコースを用意しています(図4)。
創業100年超の歴史を誇る日本紙工株式会社様では、レトロフィットによる設備性能向上とKOMORIの印刷コンサルタントによる人材育成を同時に実施しました。その結果、ミスやトラブルの半減、1時間当たりの通し枚数8%向上、刷り出し準備時間の約20分への短縮など、機械と人の両面から目に見える成果を上げられています。
《図4》印刷コンサルタントサービスの一例
万一の際も安心できる 迅速で的確なサポートのために
機械の状態を整え、運用を見直すことで、生産性や品質の安定につなげることは可能です。一方で、どれほど予防を行っていても、突発的なトラブルを完全にゼロにすることはできません。だからこそ、「何かあればすぐ相談できる」「連絡すれば迅速に動いてくれる」と安心していただけるサービスが、印刷現場には欠かせないと私たちは考えています。
迅速な現地対応を支えるため、KOMORIでは、全国11拠点にサービス体制を整えています。各拠点の経験豊富な技術者が現場に駆けつけ、状況に応じた修繕対応を行うことで、復旧までの時間と現場への負担を最小限に抑えます。
全国で安定したサービス品質をお届けするため、技術レベルの可視化や教育計画の策定、試験による習熟度確認などを通じて、サービス技術者のスキルを継続的に高めています。誰が担当しても、状況を正しく把握し、同じ水準で判断・対応ができること。その体制づくりが、お客様にとっての安心と信頼につながると考えています。
そして、この一連の対応を支える中枢を担うのが、2025年秋に開設したコンタクトセンターです(図5)。
コンタクトセンターでは、お客様からのご相談やお問い合わせを一元的に受け付けると同時に、機械ごとの修繕履歴や稼働状況といった情報を「機械カルテ」として蓄積・管理します。これらの情報をもとに状況を整理し、必要な技術者の手配や対応方針の判断を行います。例えば、過去の傾向から起こりやすい不具合を早めに把握したり、判断材料を共有して初動の迷いを減らしたりすることで、対応品質とスピードを高めるとともに、「誰が電話を受けても話が通じる」安定したサポートを可能にします。また、修繕内容は機械カルテにフィードバック・蓄積されます。「相談→判断→手配→復旧」だけで終わらせず、その情報を次の予防・改善に生かすことで、安定稼働の精度を高めていきます。今後は、蓄積されたデータとAIを組み合わせた活用や、遠隔支援など、新たな取り組みを見据えながら、お客様の課題や社会環境の変化に応じて、サービス体制をさらに進化させていきます。
「何か気になることがある」「最近トラブルが増えた気がする」。もし、そうした小さな違和感や判断に迷う場面があれば、ぜひ一度ご相談ください。
窓口と実働部隊、そして機械の情報が連動することで、迅速で安定したサービスを全国で提供いたします。

必要な部品を、必要なときに、確実に。「止めない」を実現する供給体制
日々の業務やメンテナンス、予防保全、そして計画工事を効果的に実施するために必要不可欠なのが、部品と資材の供給体制です。つくばプラント内の小森グローバルパーツセンターでは、国内外の4万4000点の部品在庫を統括管理し、必要な部品を必要なときにお届けできる体制を整えています。長くお使いいただける設備だからこそ、主要機種の部品は生産終了後も、パーツポリシーとして15年間の保有を保証しています。
また、Webでの部品注文は24時間受付が可能です。割引特典もありますので、ぜひご活用ください。
安定した稼働・高生産は適切な資材の使用から
印刷機の高い稼働と安定した品質を維持するためには、適切な資材の選択も重要です。KOMORIが独自に開発・採用した純正印刷資材ブランド「K-Supply」は、消耗資材の一括提供により品質維持、トラブル解決、コスト低減までをトータルにサポート。印刷機械メーカーならではのノウハウで、資材の提供にとどまらず、マシンメンテナンスと合わせた品質管理をご支援します。

印刷現場の長期パートナーとして
KOMORIは、これまで印刷現場と向き合う中で培ってきた知見をもとに、状況の整理から次の一手までを、お客様と同じ目線で考えます。そして今後も、現場環境や課題の変化に合わせて、「感動企業」としてのサービスのあり方をSHINKAさせていきます。
どれほど時代が変わっても、「印刷現場を止めない」ために。KOMORIは印刷現場に寄り添いながら、お客様の長期的なパートナーとして歩み続けていきます。
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