セキュリティープリントテクノロジーの可能性

日時:2025年07月25日(金)

KOMORIの印刷技術が世界の紙幣を守る理由とは?

2024年、日本では20年ぶりに新紙幣が発行され、偽造防止技術の重要性が改めて注目されています。KOMORIは1958年に紙幣印刷機を開発・納入して以来、国内唯一の銀行券印刷機メーカーとして、日本および世界39の国と地域に印刷機を提供してきました。紙幣の信頼性を守る鍵は、オフセット・凹版・番号印刷などを融合した高度なセキュリティープリントテクノロジーにあります。この記事では、KOMORIの技術がどのように社会の安心と信頼を支えているのかを、最新事例とともに紹介します。

KOMORIの紙幣印刷分野への参入は、紙幣印刷用の凸版2色枚葉印刷機を開発し、1958年に大蔵省印刷局へ納入したことからスタートしました。
1980年代には世界市場へ進出し、今ではKOMORIは、国内で唯一銀行券印刷機を製造し、日本および世界38の国と地域に印刷機械を納入し、今日も紙幣に信頼を与え、世界に安心を作り出しています。

2024年は、20年ぶりに新日本銀行券が改刷されました
新紙幣がなぜ定期的に発行されるか、それは、偽造を防止することが大きな理由です。
一枚の紙幣には、製造工程において、さまざまな偽造防止技術が詰め込まれています。
紙幣製造工程は製紙工程・材料工程・印刷工程に大別され、KOMORIが担う印刷工程はオフセット印刷機、凹版印刷機、番号印刷機、番号コーター機を用いた特殊な印刷方式を組み合わせることで偽造防止が図られています。

KOMORIの最先端技術で世界の紙幣づくりをリード
2017年9月にイングランド銀行が発行した新10ポンドのポリマー紙幣は、当社が英国デ・ラ・ルー社の工場に納入した2つの新生産ラインで印刷されました。
ポリマー紙幣は、最先端のセキュリティープリントテクノロジーとポリマー紙幣デザイン技術を融合することで、紙幣の偽造防止機能を高めています。
また、新10ポンド紙幣は、目の不自由な方のために、英国ポンド紙幣では初めて触感識別マークを刷り込むなど、複雑なセキュリティー機能(10の特長など)を採用しています。

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新10ポンドポリマー紙幣における特殊印刷例
❶ 透明な楕円形の「窓」にあるすかし模様
❷ すかし模様(表はゴールド、裏はシルバー)
❸ 紫からオレンジへ変わるグラデーション模様
❹「Ten」や「Pound」のホログラム
❺ 王冠の3D ホログラム
❻「Bank of England」「10」は凹版印刷、£10 の左上に触感識別マーク
❼ シャープで鮮明な線や色
❽ マイクロ文字
❾ 紫外線吸収インキで印刷された文字

「KOMORI 100周年記念ハウスノート」は、KOMORIがこれまで築き上げたセキュリティープリントテクノロジーを結集させ制作されました。
磨いてきたこれまでの偽造防止技術と、デジタル印刷機などによる新技術とを融合させています。
印刷工程で用いた印刷機は、オフセット印刷機「カレンシー LC」、凹版印刷機「カレンシー IC」、デジタル印刷機「インプレミアIS29s」です。

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100 周年記念ハウスノートにおける特殊印刷例
❶微細線スクリーンをドライオフセット印刷にて表現
❷スマートフォンや特殊レンズにより、隠された情報を確認できるフィーチャー
❸裸眼では判別不可能な微細な文字をオフセットにて印刷
❹革新的なインクジェットデジタル番号印刷へ置き換え
❺波の様に変形した変調デジタルシリアル番号印刷
❻折り紙のフェニックスをデジタル印刷で表現フェニックスの動きと順番が一枚ずつ異なる
❼専用のスマートフォンアプリで、真偽判定を確認

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左:凹版印刷機「Currency IC」、右:デジタル印刷機「Impremia IS29s」

銀行券をはじめ証券印刷は、「国」・「企業」・「個人」のアイデンティティーと密接にかかわっています。
パスポートやIDカードなども、重大な個人情報の改ざんを防ぐことは国際的な課題となっています。
企業においても、偽造品の防止、独自技術の毀損防止へのニーズが顕在化しています。
すなわち、紙幣は社会インフラであると同時に、世界の人々のアイデンティティーを守る存在でもあります。
KOMORIは安全で信頼される銀行券印刷ソリューションをはじめとしたセキュリティープリントテクノロジーを通して、これからも社会に貢献していきます。