IGAS2022

日時:2022年11月24日(木)~28日(月)

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2022年11月24日(木)から28日(月)までの5日間、東京ビッグサイトにおいて『Venture into the innovation!-新たなイノベーションへの挑戦-』をテーマにIGAS2022が開催されました。主催者発表では、出展者数は218社・団体、ブースは1,875小間、来場者は計33,078人でした。

KOMORIは、「Connected Automation(コネクテッド・オートメーション) 生産革新への扉」をコンセプトに掲げ、商業(コマーシャル)印刷とパッケージ印刷、デジタル印刷それぞれの印刷現場にDXで革新をもたらし、顧客の課題を解決するさまざまなソリューションを提案しました。開催期間中、KOMORIブースには、国内外から多くのお客様にお越しいただき、2023年に100周年を迎えるKOMORIの大きな弾みとなりました。

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【主な出展内容】
<コマーシャルソリューション>
KP-コネクト プロ [会場実演]
リスロンG37P アドバンス H-UV L (LED) 搭載A全判反転機構付8色オフセット枚葉印刷機[会場実演]
アプリシア CTX115 プログラム油圧クランプ大型断裁システム[会場実演]
MBO K80 B1サイズ コンビネーション紙折機[会場実演]
MBO CoBo-Stack パレタイジングロボット[会場実演]
HSB9.000 中綴じ製本機 (Hohner社製[会場実演]
SLIM AGV 小型無人フォークリフト [会場実演]

<パッケージソリューション>
KP-コネクト プロ [会場実演]
リスロンGX40 アドバンス UV搭載菊全判7色オフセット枚葉印刷機インラインダブルコーター付[KGCライブ実演]
アプリシアMB110E ハイパフォーマンス ブランキング システム[印刷サンプル展示/映像]
アプリシアDC105 菊全判寸延自動平盤打抜機 [映像]

<デジタルプリンティングソリューション>
KP-コネクト プロ [会場実演]
インプレミアIS29s 29-inch sheetfed UV inkjet digital printing system [印刷サンプル展示/映像]
インプレミアNS40 40-inch Sheetfed Nanographic Printing®System [印刷サンプル展示/映像]
DSM-1000 ダイカッター(duplo社製) [会場実演]

印刷業界の抱える大きな悩みである労働人口の大幅な縮小。それに対し早急な省力・省人・無人化が求められています。その課題に対応すべくKOMORIは、「Connected Automation(コネクテッド・オートメーション) 生産革新への扉」をコンセプトに掲げ、製造全体のDX、そしてエコトレンドをご提案しました。KOMORI製品のコンセプトは、ヒューマン&ロボットフレンドリー。環境課題を解決しながら「誰がやっても同じパフォーマンスが発揮できる」システム・製品・サービスを、IGAS会場にスマートファクトリーとして表現しました。

KOMORIブースの出展機器はKP-コネクト プロで(自動)連携され、「極限まで自動化された印刷機と後加工」のコマーシャル印刷・スマートファクトリーを構築。新時代の両面ワンパス機「リスロンG37P アドバンス」、最新の後加工機「アプリシア CTX115」「MBO K80」「HSB9.000」による自動化・省力化に加え、「MBO CoBo-Stack」「SLIM AGV」といったロボティクスを生産ラインに取り込むことにより、人の介入を極力減らした一気通貫生産を披露しました(実演1、実演2)。

パッケージ印刷・スマートファクトリーでは、KOMORIブースとつくばプラントのKGC(小森グラフィックテクノロジーセンター)を中継で結び、「リスロンGX40 アドバンス(ダブルコーター搭載)」を使った、メイクレディコスト削減による、在庫を持たない多品種・小ロット生産の実演を披露。高演色で特色を再現する「スマートカラー」と、複数の切り替え作業を並行して行い、メイクレディ時間を一般商業印刷並みに最小化する「スーパーショートメイクレディ」の2つの実演を紹介しました(実演3、実演4)。

デジタル(印刷の)ソリューションとしては、B2サイズデジタル印刷機「インプレミアIS29s」の新機能である人肌や金属系の絵柄のざらつきを緩和させるHDモードや、環境に配慮した幅広い特殊原反への印刷、さらにダイカッターと連携したカット~罫線加工を動画で紹介(実演5)。また、最新のB1サイズデジタル印刷機「インプレミアNS40」の新たな可能性を実際に目で見て体感していただけるよう、東京カメラ部とコラボレーションした大型作品をKOMORIブースに展示しました。

■実演1 リスロンG37P アドバンス&自動搬送実演の模様はこちら
[制作物]
・32ページの冊子(A4/16P)
・絵柄2種各500枚
[実演機]
KP-コネクト プロ
リスロンG37P アドバンス H-UV L (LED) 搭載A全判反転機構付8色オフセット枚葉印刷機
SLIM AGV 小型無人フォークリフト

リスロンG37Pアドバンスには、印刷工程の自動化を推進し、高生産性を実現するプレスオートメーション、オートパイロット、パラレルメイクレディが搭載されています。この3つの最新テクノロジーにより、各500枚の2つのジョブを約7分半で終了させる実演を行いました。リスロンG37P アドバンスは、立ち上がりからあっという間に濃度・見当が自動調整され、印刷最高速15,000回転でファーストジョブの本生産がスタート。ファーストジョブが終了すると、プレスオートメーションにより、次のジョブ情報がプリセットされ、自動で切り替えに入っていきます。パラレルメイクレディにより、ブラン洗浄と版交換・プレインキングの3つの工程を同時に行い、切り替えは約3分で完了。そして全色同時版交換A-APCにより版の交換が終了すると、セカンドジョブが自動で立ち上がりました。新機能のインラインPDF照合により、機械を止めることなく検版も完了。真の自動運転が可能となり、重労働であった切り替え作業のオペレーター負荷を低減できます。セカンドジョブが終了すると、KP-コネクト プロから指示を受けたAGVが自動でデリバリーの紙を受け、ポストプレスゾーンへ自動で搬送します。

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■実演2 ポストプレス(CTX→MBO K80→中綴じ)実演の模様はこちら
[制作物]
・32ページの冊子(A4/16P)
[実演機]
KP-コネクト プロ 
SLIM AGV 小型無人フォークリフト
アプリシア CTX115 プログラム油圧クランプ大型断裁システム
MBO K80 B1サイズ コンビネーション紙折機
MBO CoBo-Stack パレタイジングロボット
HSB9.000 中綴じ製本機 (Hohner社製)

実演1で刷り上がった印刷物は、KP-コネクト プロで接続した折り機、中綴じ機、そしてAGVによって、32ページの冊子へ加工されました。折り機のオートパイロットは、あらかじめ印刷したIDコードを、MBO K80フィーダーのカメラで読み取り、KP-コネクト プロやDatamanagerで作成されたジョブデータと照合し、自動でジョブを識別することで、折り工程での混入防止や小ロットのジョブ管理などの管理上の手間を軽減します。MBO K80が毎時12,000枚の高速生産する横では、パレタイジングロボットMBO CoBo-Stackが折丁の束をパレットに積載。オペレーターは、品質確認など他の作業に専念できます。セカンドジョブに入るとMBO CoBo-Stackが自動で、ファーストジョブとは反対側のパレットに積む作業を行っていきます。また、その間に、AGVはファーストジョブのパレットを次の工程へと運び始めます。2つの実演を通して、KP‐コネクト プロの「スケジューラー」機能の下、AGVが自動で前後の工程の進捗を見定めながら、最適なタイミングで複数の搬送経路を自走する様子をご覧いただきました。

実演2の最後には、Hohner社の中綴じ機HSB9.000との連携も紹介しました。KP-コネクトプロとDatamanagerの連携により、リスロンG37P アドバンスで印刷し、MBO K80で折られた折り丁が、HSB9.000にオートメーションで搬送されました。HSB9.000は、毎時9,000回転稼働可能な中綴じ機で、スキルレスが求められる中、工具使用を最小限に抑えたイージーセッティングを開発コンセプトとしており、準備時間の短縮効果が期待できます。MBO K80からAGVで搬送されてきた16ページの折丁2台分をスタッフがクラ載せし、32ページの中綴じを開始。短時間でA4/32Pの商品が完成しました。

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■実演3 GLX-740+C スマートカラー実演の模様はこちら
[制作物]
・紅茶のパッケージ プロセス4色+特色14色の計20色印刷
・ふりかけのパッケージ プロセス4色+特色6色の計10色印刷
[実演機]
リスロンGX40 アドバンス UV搭載菊全判7色オフセット枚葉印刷機インラインダブルコーター付

リスロンGX40 アドバンス 7色ダブルコーターを使い、スマートカラーの実演を行いました。スマートカラーは高演色のプロセス4色とオレンジ、グリーンの計6色を使い、特色を網点で疑似再現する技術で、パッケージ印刷の生産性、環境性能を大幅に変えることを可能にしています。ローラー洗浄作業も不要になることで時間が削減できるほか、インキが固定されることで基準濃度での運用が可能になるため、色調整時間も大幅に短縮できます。
リスロンGX40 アドバンスは、印刷最高速18,000回転の高生産性を誇り、300枚のファーストジョブ(紅茶のパッケージ)をあっという間に完了。仕上がりサンプルと予め準備した特色ターゲットと測定比較し、特色の再現性をご確認いただきました。セカンドジョブへの切り替えは、スマートカラーが高演色6色刷りで特色を疑似再現するため、色替え作業やインキ洗浄が不要です。試刷りが出るとオペレーターはサンプルをPDC-SXにかけて品質チェック、本刷りに入ります。サンプルを抜き、特色ターゲットと刷りあがりサンプルを比較して非常に近似していること、咥え側と尻側でほとんどムラがないことをご確認いただきました。

■実演4 GLX-740+CCパッケージ/スーパーショートメイクレディ実演の模様はこちら
[制作物]
・イヤホンのパッケージ   
・ヘアカラーのパッケージ 
[実演機]
リスロンGX40 アドバンス UV搭載菊全判7色オフセット枚葉印刷機インラインダブルコーター付

リスロンGX40 アドバンス 7色ダブルコーターを使い、特色パッケージの2ジョブを実施。切り替えは2ユニットの特色の切換え、コーター版交換を行いました。本来の切り替えでは長い時間を要していた特色の切り替えが、いかに早く、楽になるかをご確認いただきました。印刷最高速18,000回転で300枚のファーストジョブが完了すると、ヒューマン&ロボットフレンドリーなスーパーショートメイクレディにより、版交換・ブラン洗浄・インキ洗浄・コーター交換・インキ設定が自動で実行されます。その間にオペレーターは、従来は重労働で厄介だったインキの交換作業を、新システムのツボフィルムで負担なく進めました。コーター版交換では、従来オペレーター2人で行っていた作業を半自動・1人で行い、約2分で完了。インキ洗浄は新インキ洗浄システムの重洗浄が作動し、約5分で完了しました。ファーストジョブ終了から、約11分でセカンドジョブの試刷りが出ることを、実際に体感いただきました。

■実演5 インプレミアIS29s実演の模様はこちら
[制作物]
・ポストカード(特殊紙ユポ 両面10枚)
・A4サンプル(サンカード 片面10枚)
・パッケージ(サンカード 片面10枚)
[実演機]
KP-コネクト プロ
インプレミアIS29s 29-inch sheetfed UV inkjet digital printing system

インプレミアIS29sは、2015年の発売開始以来国内約20台・全世界で約50台が稼働中です。グリーンプリンティングの資機材認定において最高ランクのスリースターを取得済みで、「刷版不要」「廃液削減」「広色域のプロセス4色で特色を再現」「1枚目から本紙が出せ予備紙・損紙を削減」「UV印刷でVOC含有率0%」「オフセットと比べて省電力」という6つのポイントにおいて、環境負荷軽減に寄与します。

実演では、3つのジョブを通して、高精度な両面印刷や幅広い用紙対応力、LED-UVの速乾性、専用紙・プリコートが不要でオフセットと同じ用紙に出力できることなどの特長をご覧いただきました。デジタル印刷機でも、プレスオートメーションによる準備時間削減と稼働の見える化が可能です。MISからのジョブ情報とPDFはKP-コネクト プロでまとめてスケジューリングされ、必要情報が自動で送信。オペレーターのタッチ操作が最小化し、リアルタイムで稼働情報を記録することができます。

ファーストジョブは、特殊紙ユポを用いたポストカードで、特殊紙対応とRGBの鮮やかな仕上がりをご確認いただきました。セカンドジョブでは、新機能であるHDモードを紹介。事前に通常モードで印刷した用紙に、全く同じ絵柄をHDモードで印刷し、その違いをご覧いただきました。サードジョブは、duplo社と連携し、デジタル機のパッケージ印刷からニス・打ち抜きまでを一貫して行いました。実演の最後には、インプレミアNS40の最新映像をお届けしました。

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■コーナー展示
KOMORIブースでは、印刷工場の環境対応、コスト削減をテーマとした商品・ソリューションを紹介するコーナーや、証印事業をはじめとした各事業の商品や印刷サンプルを多数展示しました。

【KP-コネクトコーナー】
Smart Factory(ワンマンオペレーション)をテーマに、全工程のデジタル化、印刷機械のデータ連携を訴求しました。会場には出展機をつないだサイネージを設置し、KP-コネクト プロによって各機器がリアルタイムで管理されている様子をご確認いただきました。また、アナログ管理をデジタル化したことで「見える化」されたデータによって、実際どのようにDXを進められるのか、ユーザーの成功事例とアライアンスパートナーを映像でご紹介しました。また、「KP-Connect Pro ~見える化からはじめるスマートファクトリー~」と題したミニセミナーは好評を博し、連日多くの方にご覧いただきました。

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【証券印刷機コーナー】
KOMORIの銀行券印刷機で印刷されている「日本銀行券」は、世界の銀行券の中で最も偽造がしにくいと評価されています。KOMORIの銀行券・証券印刷機は海外にも広く輸出されており、納入実績は36か国に及びます。ブースでは、実際に触れられる証券サンプルを展示し、札束を持ち上げる体験などをしていただきました。

【サービスコーナー】
印刷工場の環境対応とコスト削減をテーマとし、冬場に多発する超微粒子ミスト静電気抑制装置「e-Mist」の実機や、環境改善NON VOCの含侵布、機械性能を最大限に引き出し、環境負荷を低減する印刷資材「K-Supply」などを展示。多くのお客様から反響をいただいている「印刷コンサルタント」や、印刷機診断サービス「ワンデイチェック」をサービススタッフがご案内しました。

【環境コーナー】
KOMORIのSDGsへの取り組みをパネルでご紹介しました。KOMORIグリーンプロジェクトでは、SDGsの持続可能な開発目標と紐付けて、エコプロダクツ、エコファクトリー、エココミュニケーションの3つの指針の下で活動しています。

【セリアコーナー】
KOMORIのPE・精密機器事業を担っているセリアは、電子部品業界やスクリーン印刷業界で多くの納入実績を誇っています。IoTデバイスや半導体基盤を印刷したサンプルや、スクリーン印刷法で製作したサンプルを展示しました。

【プリントギャラリー】
特殊技法や新たなビジネスモデルのもとで生み出された付加価値の高い印刷物の数々を、印刷手法やポイントとともに展示しました。
●電飾ポスター
・合成紙(ピーチコート)にUVインクジェットデジタル印刷
・高い表裏の見当精度で正像(表面)、逆像(裏面)をワンパスで印刷
●各種ポストプレスサンプル
・複雑に細かく折られた極薄紙の取扱説明書(MBO/H+H)
・あじろ製本用W折り32P折り(MBO K80)
●玩具パッケージ・オフセットのダブルコーターによる高付加価値印刷
・全面OPニス、H-UV印刷+グロスニス+マットニス、H-UV印刷+グロスニス+ソフトタッチニス
など

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■KOMORIセッション
印刷会社、製本会社の経営者、管理者にご登壇もしくは動画出演いただき、各社の事例を紹介いただくセッションを開催。5日間で189名に参加いただきました。
・株式会社中央パッケージング様 コロナ禍のパッケージ業界における中央パッケージングの取り組み~リスロンG40アドバンス(GL-840A)の導入とその効果~
・株式会社研文社様研文社デジタルオンデマンドセンターの開設と高付加価値ビジネスモデルの構築
・今野印刷株式会社様KP-コネクトプロとMISとの連携による印刷DXと完全水無印刷工場化による環境対応
・日経印刷株式会社様グラフィックガーデンにおける生産性向上、環境対応の取り組み~最新鋭両面多色印刷機導入のねらい~
・大黒印刷株式会社様/加藤紙工有限会社様KOMORIポストプレスソリューションによる生産性アップ、品質向上、多能工化の取り組み

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■IGAS2022KOMORIつくばツアー
11月24日(木)から26日(土)までの3日間、IGAS会場⇔(株)小森コーポレーション つくばプラント・KGC(小森グラフィックテクノロジーセンター)を体験できるつくばツアーを開催しました。国内外で約350名のお客様にご参加いただきました。IGAS会場で中継したリスロンGX40アドバンスによるパッケージ・スーパーショートメイクレディの実演およびデジタル印刷機インプレミアIS29sによるデジタル印刷ソリューションをご覧いただきました。

このたびは、KOMORIブースにお立ち寄りいただき誠にありがとうございました。KOMORIは、常にお客様の立場から次世代を見据えた商品を提供しています。今後もコスト削減、稼働率向上、高付加価値化など、お客様の課題を解決するためのトータルな印刷システムを提案してまいります。次回のIGASでもお会いできますよう、社員一同楽しみにしております。